小布施町の図書館「まちとしょテラソ」を見学しました。

こんにちは!ホーリーです!

今回、長野県小布施町の図書館を見学してきました。事務長の方が案内をしてくれたのですが、こんな図書館が地元にあったらなーと、羨ましく感じました。

以下、視察報告書の内容です。

概要

• 小布施町の図書館の歴史は、今年で100周年を迎える。2009年に新しい図書館「まちとしょテラソ」を作った。これまでは市役所の3Fという便の悪いところに作られていたが、市民の交流の場にしたいということで、平屋建ての図書館を新設した。

• コンセプトは「交流と創造を楽しむ、文化の拠点」。町民とともにつくる町民のための図書館として誕生。

• 2011年には先進的な活動を行う図書館に贈られる『Library of the Year』の大賞を受賞している。

• 主な特徴は以下の通り

✓ おしゃべりも飲食もOK

✓ 歴代の館長は、公募した映像作家や編集者たち。司書資格も年齢も不問。今はなんと29歳の女性で元コンサル(残念ながら、今回は産休中でお会いできなかった)

✓ 毎月テーマを決めてスタッフが本をセレクトする“テラソ百選”や、2冊の本を入れた福袋“読本来福”など。行政とは違った、新しい視点を導入

✓ 間仕切りのない大きなワンルームの閲覧室。子どもと大人のスペースの間は間仕切りをおかない。それによって生き生きとした交流が図られる。この件での苦情はゼロ。

✓ 本のしおりに、町内施設の観覧チケットを入れるなど、他の集客施設との連携もしている。

• 「まちじゅう図書館」事業は、個人のお宅や酒屋さん、味噌屋さん、銀行、郵便局などが有志で敷地の一角に本棚を設置し、自由に閲覧して貸し出す取り組み。町はそれをマップにして発信するだけ。

考察

• 「推し棚」や「アウトドア特集」など、旬のテーマの棚を作ったり、365日棚や100選など、何度も何度も足を運びたくなるような仕掛けが豊富にあり、スタッフの自由な発想、遊び心が随所に散りばめられていた。

• 周辺の自然と施設が見事に調和しており、木の温もり、建物への光の入り方など、ずっとそこに滞在したくなるような居心地の良さがあった。飲食ができるなど、自由度の高い空間になっているのが居心地の良さをさらに高めているのかもしれない。

• 何といってもワンフロアで間仕切りのない閲覧スペースは他の図書館にはない新鮮さがあった。見学した時も、親子連れが何組かいたが、子どもたちも不思議と静かにしていた。「子どもの声が街中で聞こえるのは当たり前。そんな当たり前の環境を作りたい」という事務長の話は印象的だった。

• 積極的に外部の人材を取り込んでいくことで、良い意味で図書館ぽくない図書館ができていた。こうした姿勢は図書館運営のみならず見習いたい点である。

• 「まちじゅう図書館」事業はとてもユニークな取り組みで、地域全体の本を愛する文化を醸成するには良い施策だと感じた。横須賀全体でやるのはしんどいが、行政区単位、町内会単位、商店街単位で進めるところが出てきても良いのでは。

• 人口約1万人で、年間出生数が50人程度の小規模な町。こぢんまりとしたサイズの図書館だが、それ故の居心地の良さがあった。複合型施設で大きな建物の中にある図書館も良いが、本を親しむ、本を通して人と人とが交流するということを主眼に置くならば、ちょうど良いサイズなのかもしれない。これまでいくつか図書館の見学をさせていただいたが、本市が近い将来、移転・新設をする際にまた新たなヒントをもらうことができた。

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