「守破離」という言葉を聞いたことがありますか。
剣道や茶道における3つの成長の段階を示したものです。
「守」:師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。
「破」:他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。
「離」:一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。
何事も「凡事徹底」が大切だという、古くからの戒めの言葉であり、これは剣道や茶道に限った話ではなく、日々の学びや仕事においても通じることです。
近年では何事も最短距離で物事を成そうという動きがありますが、人生において長く関わるもの、または価値あると思えるものほど、先人の知恵や経験を大切にしつつ、目の前のことを大切にする必要があると思います。
私は議員として当選させていただいて以来、山ほど課題が横須賀にある中で、一刻も早く何か形を残したいと思い、または、型にはまった議員にはなりたくないと思い、そして、色々なことを成し遂げたいと思っていました。
しかし、物事はそう簡単には行きません。
議員は多数決の世界であり、ワンマンプレーでは何も実現できません。
行政に課題があるとしても、行政の仕組みや、職員一人ひとりの思いがそこあり、それを無視して突き進もうとしてもうまくいきません。
「壊す」だけなら一人の力技でもできるかもしれません。
しかし、本当のゴールは壊すのではなく、「新たなものを創る」ことです。
「新たなものを創る」のは、一人では絶対にできません。
今は「守」の段階。
目の前の仕事をしっかりと確実にこなしつつ、次の段階に繋げていくための足腰と、人との関係を築いていく段階と思っています。
大切なのは、こういった基本を大事にする姿勢が、かえって「馴れ合い」や「忖度」を生まないようにすること。
そのために、すべての人の側に立つ努力をし続けること。
この「守破離」は私の信条として、これからも大切にしていきます。