先の9月定例議会で横須賀市議会の議員定数について、
次の一般選挙以降、40名から39名と1名減少することが決まりました。
そもそも横須賀市議会議員って40人もいたのかと、驚かれる方もいるかもしれません。
1.そもそも議員定数ってどうやって決まってる?
議員定数をそれぞれの議会が自由に決められるようになったのは、
実は比較的最近のことなんです。
1947年に制定された地方自治法では、人口規模に応じて議員定数を決めていました。
例えば、20万人以上30万人未満の市であれば44人、30万人以上であれば48人などです。
これが、1999年の自治法改正で、議会の議員の定数は、条例で定めるとなり、2011年のさらなる自治法改正で、議員定数の法定上限が撤廃され、自由に定数を設定できるようになりました。
自由に定数を決められると言っても、人口の規模や自治体の財政状況などによって判断すべきと考える方は多いと思います。
実際、議員定数を各議会で話し合う時、人口規模が同じ自治体や県内の自治体の状況と比べて、飛び抜けて大きな数にならないよう、平均的な状況に落ち着いているかを確認するのが一般的なようです。
議員を減らすべき、議員報酬を減らすべきという風潮が強い現在では、この「平均値」が少しずつ下がる傾向にあり、横須賀市も同様です。
それでは、横須賀市の議員定数はどのように推移してきたのでしょうか。
2.横須賀市の議員定数削減
こちらが、横須賀市の議員定数と、当時の人口です。
人口は、選挙があった年の翌年の1月1日現在の推計人口で、令和5年は予想値です。
昭和58年の横須賀市の議員定数は48人で、それ以降議員定数は下がり続けています。
前回の統一地方選挙のあった令和元年に41人から40人に減少し、今回の議員定数削減は2期連続での減少となります。
議員一人あたりの人口では、9500人〜10000人の間を推移していることがわかります。
今後、横須賀市の人口は減少し続けると推計されていますが、では、それに合わせて横須賀市議会議員の定数を
減らし続けることが、果たして良いことなのでしょうか。
今回、40人から39人に議員定数が削減されましたが、現状維持するべきという意見もありました。
その理由には、議会の監視機能の低下を防ぎ、議会改革を進め、より一層多様化・複雑化する市民ニーズを把握し、住民福祉の向上につなげるためには、相応の議員数が必要ではないかということです。
今、横須賀市議会では議会全体として積極的に政策立案や議会改革を進めていこうとしており、この2019年から横須賀市歯及び口腔の健康づくり推進条例、犯罪被害者等基本条例、横須賀市子どもの権利を守る条例と、議会発の条例が次々と生み出されています。
議員定数を削減すべきと考える方の中には、より選挙が厳しくなることで、有能な議員が残るという考え方があるように思われます。
しかし、選挙に強いことと議員として有能であるかは別問題であると、ホーリー自身は議会にいて感じます。
もちろん、何を持って有能とするかは、人によって判断基準は異なると思います。
しかし、定数を安易に削減することは、地域であれ、職業であれ、多様な背景をもつ代表が選出される可能性を低減させ、有権者にとって議員がますます遠い存在になってしまうという懸念はあります。
時代の流れの変化の中で、地方議会の役割も変化しています。
人口が減るから議員を減らすという単純な議論ではなく、議会のあり方そのものについて、これからも議論を重ねつつ、
議員定数や報酬のあり方を考えていく必要があります。
3.ホーリーはこう思う!
高すぎる報酬、多すぎる定数、見えない仕事ぶり。
陰でうまい汁をすすっている。
こうしたことが、自治体議員に対する市民目線の定説ではないでしょうか。
そもそも、横須賀市議会議員が現在40人いることも知らない方は多いのではないかと思います。
市民と議会との距離をいかに縮めていくか。
それができなければ、報酬削減、定数削減の流れは止まらないでしょうし、そもそもの市民の政治離れ、投票率の投下は止まらないでしょう。
現状できることは、とにかく議会としての情報の透明性を高め、市民との対話の機会を増やし、市民とのさらなる信頼構築を進めることだと思っています。
ホーリーは、今後も議員定数のあり方も含め、議会改革を訴えていきたいと思います。
これまで地方議会は憲法と地方自治法で70年以上守られ続けてきました。
しかし、将来的に地方議会のあり方はもっと多様であって良いと思っており、それに合わせて選挙制度だって自治体ごとに決められるようになっても良いとホーリーは思います。
自分達の街を自分達で決めていく。
投票行動だけでない、横須賀市ならではの民主主義の仕組みをみんなで作っていくことができればと考えますが、皆さんはどう思いますか。