横須賀市議会議員の堀りょういちです。
いつもブログを読んでくださり、ありがとうございます。
今日は葉山町にあるオルタナティブスクール「ヒミツキチ森学園」(以下、ヒミツキチ)を見学してきました。
ヒミツキチは学校法人ではなく、いわゆる民間運営のフリースクール。
自分たちが描く理想の教育の形を、とことん追求し、それに共感する保護者や子どもたちが集まっています。
日本の学校教育とはとにかく一線を画していて、「全ての学校の先生に見て学んでほしい!」と心から思いました。
語りきれないので、ここでは私が感動した3つを紹介します。
①完全オリジナルのカリキュラム
この時間割を見てください。国語、算数、理科、社会…。とは全く違います。「マイプロジェクト」とか「本と作家の時間」とか、何をするんだろうってワクワクしますね。
ヒミツキチは「対話」「共創」「自分を知る」ということを大切にしていて、何をするにしても子どもたちの主体性を大切にしています。
一般的な国語や算数についても、子ども一人ひとりの進度や興味関心、学び方を尊重しています。私が見学に行ったとき、ある子はiPadを使って算数を勉強し、ある子はタイマーを片手に紙のテキストを使っていました。また、得意な科目を次の学年の内容まで勉強している子もいました。
また、例えば、毎週「週間計画」を立てて、反省するということもしています。
これら時間割や計画の立て方なども、決まった枠を大人が押し付けるのではなく、子どもたちと話し合って決めたりしているそうです。
②答えを教えない
問いを立てる。そして、それを自ら考える。
ということを大切にしているそうです。
例えば、私が見学に行った時、子どもたちは遊んで休み時間が終わっていたのに気づかず、5分スタートが遅れたということがありました。
こうしたことがあると、先生が子どもたちを「遅れるな!」「ちゃんと時計を見ろ!」と一方的に叱って終わりーー、になりがちです。
しかし、ここでは、大人は叱らることなく簡単に促した後、その後は、子どもたちが互いに向き合って「どうすれば遅れないか」を話し合っていました。
先生にとってはとても骨が折れることだと思います。
しかし、どちらが子どもたちの成長につながるだろうかと考えた時、それは明白な気がします。
テストで点数を取ることが重視される教育では、回答に如何に正確かつ素早くたどり着けるかが重視されます。
しかし、私たちの日常生活において、答えが決まっているものなどほとんどありません。
答えのないものにどうやって答えを出すのか。そうした力は、今の学校教育でどれだけ重視されているのでしょうか。
③つながるスクール運営
ヒミツキチの常勤スタッフはわずか3名。しかし、この他に330人のプロジェクトチームメンバーがいます。
このメンバーは、ヒミツキチの理念や取組に共感し、ボランティアで関わってくれているメンバーです。
庭の草を刈るプロジェクトや、建物を修繕・リフォームするプロジェクトなど、様々なプロジェクトがあり、それをボランティアの方々が率先して進めているとのこと。驚きました。
オルタナティブスクールは全国に多くありますが、継続的な行政の補助などない中で、多くが手弁当です。
経済的な理由からスタッフを多く抱えられない中、如何にスクール運営を行っていくかが課題となる中で、これだけの多くのサポーターがいるというのは心強いと思います。
ヒミツキチの理念の素晴らしさ、代表の宮下さんを始めとするスタッフ一人ひとりの魅力が、こうして多くの仲間を引き寄せたのだと思います。
もっと色んな学校があって良い
ヒミツキチを見学して改めて思ったことは、教育に「正解はない」ということです。
教育には様々な考え方があり、手法があります。
そのどれが自分の子に合うのか、子どもたち自身がどういう学びをしたいのか。
それを考えられるだけの選択肢が、日本の公教育にあるのでしょうか。
あまりに公教育は画一的であり、創意工夫が足りないと思うのは、私だけでしょうか。
ヒミツキチの取組はあくまで一例です。私が見えていない課題もたくさんあるのだと思います。
しかし、そこには理想とする教育を追い求める、ひたむきな姿が確かにあります。
ヒミツキチがこれからどんな変化を遂げていくのか、楽しみです。