おはようございます。横須賀市議会議員の堀りょういちです。
昨日12/24(水)に臨時議会が開かれ、政府の物価高騰対策支援について審議が行われました。
結果、市民全員に一律で現金6,000円をお配りするということで賛成多数で可決されました。
私たち会派は結論としてはこの議案に「賛成」しましたが、ギリギリまで会派で話し合いました。
私としては2つポイントがありました。
①本当に必要としている人に必要な支援を届けられるか。
②①のために十分な検討がなされているのか。
①について、対象者を限定するいわゆる限定給付の方法が最も経済効果は高いとされています。
例えば、所得が低い人ほど給付を貯蓄ではなく消費に回す可能性が高いため、住民税非課税世帯など対象を「限定」して給付する方が良いのではないかという考え方です。
しかし、現時点での政府や市の持つデータベースでは、対象となる人を正確に把握できず、一部の人については申請があって初めて給付されるという状況です。
独居の高齢者など、自身で情報を把握して申請を行う方が難しい方も増えている中で、必要な人に必要な支援を確実に届けるには現状限界があります。
また、対象を絞るからには、たとえば所得の額など、明確な数字で定量的に区切らなければならないわけですが、そこの線の境目にいる方も多くいるわけで、分断・不公平感が生まれてしまうという感情の問題もあります。
直接・間接的に市民の皆さんからは「現金給付がありがたい」という声を聞いています。
今回の物価高騰は多くの市民に広範囲に影響が及んでいることを考えると、経済効果としては低くなってしまうけれども、限定給付ではなく一律給付をすることに対して一定の理解はあります。
一方で、国からは地域の実情に応じて「きめ細か」に効果的・効率的で必要な事業を実施できるように、ということが要綱に示されています。
こうした点から考えれば、例えば本市の所得状況を踏まえて、一律給付と限定給付を組み合わせる(例えば全員に一律で5,000円給付して、住民税非課税世帯にはさらに追加で給付をするなど)ことで、より物価高騰の影響を受ける人に対して手厚い支援ができることも考えました。
しかし、その場合は事務負担が多くなり、トータルで給付できる額が減ってしまうことや、スピード感では一律給付には勝てないことなど、諸々のバランスを考えると難しい側面もあるのが事実です。
今回のような一律給付という「粗い」手法を選んだこと、加藤ゆうすけ議員との質疑の中で、「政策効果を測定する」ことを放棄してしまったこと※から、議案に対して決して全面的な賛成とは言えないものの、否決するほどではないと考えた次第です。
※市長との質疑については、会派団長である加藤ゆうすけが行いました。
詳細については本人のブログをご覧ください。
福祉現場で仕事をしてきた立場としては、所得の格差が広がってしまっている現状や、必要な人に必要な支援が届かない行政の仕組みに対して憂慮しており、これまでも提言を行ってきました。
今回の議論を通じて感じたこととして、
・一律現金給付とはシンプルであり、住民からは歓迎されやすいが、効果としては低いし、安易に採用されがち。
市民の所得情報などを正確に把握し、限定給付でも漏れることがないように、必要な人に確実に支援を届けられる仕組みを構築するべき。
・分断・不公平感を生じさせることの一因には、行政側が説明責任を十分に果たしていないということもあるのでは。
そのためにも給付事業については必ず効果検証を行い、定量的なデータを蓄積させていくことが肝要。
ということを強く認識しました。
国に求めることでもありますが、横須賀市が率先して改善することはできると考えます。
引き続き議会を通して訴えてまいります。









