おはようございます!横須賀市議会議員の堀りょういちです。
今回は浦賀駅前周辺再開発について。
この度、住友重機械工業株式会社さんのご厚意により、浦賀駅前周辺の再開発を進めることができることになり、再開発を行う事業者の「優先交渉権者」が決定しました。総事業費1千億円を超える官民連携の大型プロジェクトです。
「優先交渉権者」ですから、正式に契約が交わされたわけではありませんが、交渉権者が出された未来の浦賀駅前周辺のイメージが公開され、多くの方に関心を持たれています。
というわけで、まだ正式に決定したわけではないのですが、優先交渉権者である事業団体が提示したイメージは以下の通り。
概要についてはタウンニュースさんの記事を以下引用します。
「高さ約60mのホテル(約80室)とマンション(約150戸)からなるツインタワーを建設。これにより、観光客の誘致と約500人の定住人口を見込む。デッキの両側には商業施設を配置して賑わいを生み出し、駅前の交通広場には天候に左右されないロータリーアーケードを設け、混雑緩和を図る。
産業遺産に認定されているレンガドック周辺は、ドックを核とした文化・交流拠点に位置づける。ドックを俯瞰して眺めることのできる「ドックブリッジ」を新設して観光の目玉とするほか、浦賀の歴史を伝えるミュージアムやカフェなどを有する複合施設を整備する。このほか、東浦賀エリアには戸建てのヴィラや江戸から大正にかけて続いた旅館「徳田屋」に焦点を当てたテーマパークの構想も盛り込む。みかん山周辺にはアーバンスポーツ施設や有料老人ホームの配置を計画している。」
このように一見すると浦賀の駅前再開発は横須賀が賑わいを取り戻す期待に溢れた取組であるように思いますが、大きな再開発行為そのもののリスクというものも多くあることを忘れてはいけません。
市議会議員の立場としても当然ながら、冷静・客観に見ていく必要があると思っています。
私としては現時点で、大きく2つの懸念があります。
1.集客力となる「独自のコンテンツ」
海辺に関する事業についてはまだ調整中で未公開となっており、集客力ある取組が明示されていません。
浦賀の歴史などはもちろん独自コンテンツではありますが、一般的なミュージアムなどを作っても集客力は高くありません。
駅前再開発は全国あらゆる地方都市で進んでいるもので、競争にどのように打ち勝つのか、その点についての戦略が現状だとわからない状況です。
2.横須賀市の財政負担
1,000億円規模の再開発の中で、市の財政負担は30〜40億円と見積もっているとのことですが、本当にその程度で済むのか。
他市町村を含めて過去の事例を見れば当初見積もりよりもはるかに上回る負担になるケースは少なくありません。
そうなった時に投資対効果は本当にあるのか。
日本全体が人口減少局面に入る中で、ゴーストタウン化してしまう懸念もあります。
浦賀の再開発が進むこと自体、私はとても喜ばしいことだと思っています。
開国の地として、日本の歴史の転換点となった浦賀。
かつては奉行所として栄え、その後造船の街としてにぎわいの中心でした。
その後、再開発の話は何度も出たり消えたりする中で、浦賀地域にお住まいの方にとっては、浦賀駅前の再開発が進むことは「ついに」「ようやく」というところ。
だからこそ、市長の言う「第二の開国」が真に実現できるよう、事業者任せにするのではなく、自分たちの頭でしっかり考え、行動していくことが重要だと思います。
先に述べたようにまだ正式に契約がなされたわけでもなく、具体的な設計図が作られたわけではありません。
これからの市の報告を待ちたいと思います。














