こんにちは。横須賀市議会議員の堀りょういちです。
現在、全国の様々な地点で再開発が行われています。
高度成長時代に建てられたものが一気にその寿命を迎えていることが背景にあるわけですが、横須賀も例外ではありません。
中央駅前や追浜駅前には高層ビルが建とうとしており、久里浜、中央駅周辺でも水面下では地権者や開発者等による協議が重ねられているようです。
再開発が進むことで街が生まれ変わり、多くの賑わいが生まれるのではないかと期待する声が多い一方で、
高いビルが所狭しと並ぶ景色を見て、これから建つものがきっと私たちの子や孫の世代まで建ち続けるのだろうと考えれば、
あまり考えなしにこの再開発を受け入れてしまってやしないかと、そんな気持ちにもなります。
特にプライム跡地の再開発の現場を見ていると、そんな気持ちになりました。
ビル建設に反対なわけではありません。
ただ、今更地になっている場所をYデッキから眺めていると、これがたとえば芝生の張られた大きな広場になったら、きっと市民にとって素敵な憩いの場所になるのでは、とふと思ったのです。
中央駅周辺は人が集える場所が少なくて、道はただ通り過ぎるばかりで、市役所前公園も一部マンション化するという話が出ていました。
背の高い建物をたくさん並べるのは良いけど、それによって失われるもの、得られなくなるもの、こうしたことも考えていかねばなりません。
NHK出版の『人口減少時代の再開発』を読みました。
やはり多くの再開発の現場で高層ビルが縦並んでいるようです。
地権者側の権利や、人口を増やしたい自治体、事業者側の都合、これらを総合するとやはり高層ビルを建てるということになると。
しかし、そこにはリスクもあり、想定外の災害への対応、分譲マンションの維持管理、人口減少時代における需給ギャップなどです。
日本は人口減少時代に入っています。
その中で、短期的な目論見で高層ビルを建てては良いが、将来負の遺産となる可能性はないのか。
「高く大きく建物をつくるのではなく、その地域の実情やスケールに見合った建物規模にした上で、時代のニーズに合わせて様々な形で使える広場などの空間を生み出すような「減築利用」型の再開発を実現するための新たな事業手法を編み出していく必要がある」
と、野澤千絵 明治大学政治経済学部教授は語ります。
また高層ビル建築を制限する条例を作った神戸市長は、目先の人口増加を追い求めるのではなく、「長い目で見て神戸を選んでいただけるような、そんな政策をとっていく。そのためには、クオリティーの高いライフスタイルが実現できるまちのありようが求められる」と語る。
私たちの子や孫の世代が、どのような横須賀でのライフスタイルを送ってほしいか。
そんな視点から、改めてこれからの再開発を考えていく必要があります。そのために「減築利用」の再開発という視点についてはこれからしっかり学ぶ必要があると思いました。