廃校 × 子どもの遊び場 という選択肢

先日、単身秋田県の由利本荘市へ出張に行ってきました。
 
目的の一つはこの「鳥海山 木のおもちゃ館」を見学するため。
 
平屋建ての廃校を活用した子どものための遊び場。
 
市役所等がある中心市街地から車で15分程度と離れた場所にあり、鳥海山をはじめ多くの自然に抱かれた場所です。
 
雪国の由利本荘市では室内の遊び場が少ないということで子育て世代から多くの声が上がっていました。廃校をいかに活用するかという議論の際に、そこを多世代交流の場にしようということでおもちゃ館ができあがったそうです。
 
由利本荘市の林業を支える点や木育の観点から、木を使ったおもちゃを整備し、温もりある空間デザインがなされています。施設は指定重要文化財となっており、学校の趣を残しつつ、デザイナーによって全体を整備。体育館があった場所には大きな木造のアスレチックや半個室の遊び場を設置。各教室には、それぞれコンセプトが分かれており、ワークショップ会場、乳児向けの遊び場、最新の木のおもちゃ紹介や、木工作品のギャラリーなどに分かれています。
 
民間事業者と地元ボランティアで運営。学校周辺の植栽の管理などもボランティアが中心となって行われています。
 
本市では近隣のプールや青少年の家など、子ども向けの公共施設が次々と廃止になっています。
また、地球温暖化の影響による連日の酷暑や豪雨などで、子どもたちの室内遊び場へのニーズは高まる一方です。
 
少子化の影響で今後学校の統廃合を進めていく必要がある中で、これらの廃校をどう活用していくかも重要な論点です。
 
今回の見学先はこの二つの課題に対する一つの好事例として見学をさせていただきました。
 
2019年に立ち上がり、コロナ禍という不遇を乗り越えて今に至っています。収支は順調に回復していますが、背景には多くの職員の努力やボランティアによる支えがあります。
 
本市でも廃校を活用した子どもの遊び場づくりは可能であるし、検討すべきであると考えます。
重要なのは大きく3つで、1つ目は採算性。補助金頼みではなく、子どもたちが来たいと思わせる場づくりによって収益性のある事業にする必要があります。
2つ目は地元の参加。ボランティアスタッフや遊具の設置などに多くの地元の人が関わることで、持続可能で多くの人に愛される場所になっていくように設計するべきです。
3つ目は遊び場のコンセプト。由利本荘市では木育を前面に出して、木を使った遊具の設置やワークショップなどを行っています。このようなコンセプトがあり、デザインが統一していることが、その遊び場の魅力につながっていることは間違いありません。
 
このようなポイントを踏まえた上で、本市においても室内の遊び場づくりを進めるべきではないかと考えます。
 
素晴らしい見学の機会をいただき、ありがとうございました!!
 
line youtube line youtube