子育てパパ33才、横須賀市議会議員の堀りょういちです。
前回のブログでは、私が11/27(金)に行った一般質問から、発達障害についての基本事項について記載しました。
今回は「発達障害の早期発見・早期支援の必要性について」です。
発達障害者に対する適切な支援がなされない場合、その特性により生じる問題に周囲が気付かず、その結果、無理強い、叱責などが繰り返されることで、失敗やつまずきの経験が積み重なっていきます。
それが、自尊感情の低下等を招き、更なる適応困難、不登校や引きこもり、反社会的行動等(いわゆる「二次障害」)につながるとされています。これを防ぐ意味でも、発達障害の早期発見・早期支援は重要です。
現状の取組の評価に対して、
市長「本市は早期に発見できる体制を構築できていると評価している。」としています。
確かに、本市では現時点でも新生児の家庭訪問や、乳幼児健診、発達障害に関する研修等、様々な早期発見・早期支援の取組を行っています。
しかし、療育相談センター等の治療に関わる方から現状を伺うと、「どうしてこの状態になるまで、支援につながらなかったのか、という事例がいくつもある」と聞いています。
また、保護者からは「とある先生に子どもの発達障害の可能性を相談したら、「そのくらい大丈夫」とだけ言われ、それ以上相談に乗ってくれなかった」というような声も上がっています。このような当事者、関係者の声から、現在の市の取組からさらに一歩踏み込んで行く必要があると私は考えています。
対策① 発達障害の早期発見のための機器やツールの導入
まず、未就学時における早期発見・早期支援の取組について。今年3月、私たち会派(「よこすか未来会議」)の代表質問で、幼児の視線の動きから社会性発達のリスク評価ができる「かおTV」を健診に導入することを提案しました。
発達障害の研究が進む中で、このような機器の開発が進み、同時に早期発見のためのアセスメントツールも進化を遂げています。
本市の乳幼児健診時において、これらの機器やツールを積極的に導入すべきだと考えます、
これについて市長は「(かおTVについて)乳幼児健診の場で使うことは考えていませんが、今後、機器が発達し有効に活用できる機器が開発された際には導入を検討していきたい。」とのことでした。
かおTVは既に複数の自治体に導入されており、実績が積まれているものです。
現時点でも有効であると考えていますが、残念ながらこちらの主張はまだ通りませんでした。
対策②年中児を対象とした集団観察の実施
健診以外の場面で、発達障害に気づける機会を作ることの必要性について。子どもを保育園や幼稚園に預けている保護者の多くは子ども集団の中での様子を確認する機会が少なく、発達障害の可能性に気づきにくいと言われます。
また、本市の乳幼児健診は、3歳半健診から就学時健診まで空白期間があります。就学時健診という入学直前のタイミングで初めて障害の可能性に気付かされ、就学への不安や学校指導への不信感を抱いてしまうというケースが指摘されています。
そこで、4~5歳の年中児を対象に、子どもたちが集団で遊んでいるところを専門家、発達支援コーディネーター、保護者等で共に確認し、必要であれば発達支援事業につなげていくという取組を導入するべきだと考えます。
これについて市長は「保育園や幼稚園等には、ソーシャルワーカーや心理士が訪問する巡回相談を行っている。発達障害は保育士が気づくことが多く、保護者の気持ちを大切にしながら適切な支援につながることが大切だと思う。保護者や支援者にさらに、周知していきたいと思う。」とのことでした。
という話があり、4-5歳のタイミングでの集団観察や健診といった具体的な取組については慎重な姿勢でした。
周知を強化してもらえることは一歩前進かと考えます。
対策③小中学校での定期的なスクリーニングの実施
次に、就学時における早期発見・早期支援の取組についてです。
発達障害の中でも、注意欠陥・多動性障害や学習障害など未就学時では発見が困難なものもあり、就学後においても定期的なスクリーニングが実施されるべきだと考えます。
しかし、現状本市においては、このような取組はなされておらず、教師の力量に委ねられているところが多くあります。
そこで、就学後における発達障害の早期発見・早期支援を実施するため、本市として共通のチェックリストを作成し、担任を含めた複数の教職員で観察するなど、小中学校において定期的なスクリーニングを行うべきと考えます。
教育長「担任を中心として、日常の教育活動の中で、児童生徒の一人ひとりの実態を把握している。小中学校で課題が見られれば、保護者と連絡を取り、支援コーディネーターが中心となって、校内と関係機関を調整・対応している。医療機関に繋がるかどうかは保護者の判断による。」
ということで、あくまで先生が実態を把握しているので十分という考えでした。
それに対して、「私は、先生は決して万能ではなく、研修を受けたからと言って見落としが出てしまうのではないか。」
教育長「先生ごとに能力差がある。担任の先生が見るというのではなく、学校全体として補い合っている。」
堀「発見の仕組みを導入することは、客観性を確保することにもなるし、教師が判断する際、保護者とどう話すかを考える一助となっている。具体的な中身は別としてそうした「仕組み」を導入することが重要ではないか。」
教育長「発達障害は病名の判断になってしまう。先入観を持って、認定をしてしまうことが怖いこと。感じたときには学内に置いてその子の対応を競技されているし保護者と協議し、適切な対応をしている。個々人のシートを作って経過を観察しているというのが既にある。」
堀「問題は発見の入り口のこと。結局教師の判断に委ねられているのが実態ではないか。」
教育長「学校生活において、複数の教員がずっと見ている。校長先生が一人ひとり声掛けをしている。まずは保護者と話をしていくというのが一番。」
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ということで、話が中々前に進まず、他の質問もあったので教育長との一般質問の場での議論はストップしました。
教育長、教育委員会側はあくまで複数の教員が生徒を見ているから問題ないだろう、というスタンスです。
しかし、実際それで一人ひとりの子が適切に対応しているかといえばそういうわけでもなく、多くの保護者から怒りや悲しみの声を私は聞いています。
それを伝えたら
教育長は、そういうことがあったら直接私に言ってください。対応します。
という旨の返事でした。
それで済めば、全ての課題はないということになってしまうのですが・・・。
残念ながら噛み合わないままにここは終わってしまいました。
発達障害の方がどのくらい見落とされているのか、ということを数値化することが難しい以上、どこまで徹底的に取組をするかということは、市側の姿勢次第ということもあります。
堀りょういちとしては、今後も実態把握の方法を模索しつつ、早期発見・早期支援の取組をさらに充実させていけるよう、引き続き市と協議をしていきます。
ということで、今日はここまで。
☆当日の一般質問の動画は下記URLから見ることができます。
1時間45分くらいのところが私の質問の回です。
https://smart.discussvision.net/smart/tenant/yokosuka/WebView/rd/speech.html?year=2020&council_id=59&schedule_id=3&playlist_id=0&speaker_id=0