ICT活用で、必要とする人に支援が届く仕組みづくりを 〜一般質問レポート4

※要点だけ知りたい、という方は、最後の「▼まとめ」を読んでください。
※フルバージョンはぜひ当日の動画をご覧ください。堀の出番は1時間15分あたりです。(令和元年12月定例議会11月28日本会議)

https://smart.discussvision.net/smart/tenant/yokosuka/WebView/list.html

▼申請主義とは?
申請主義とは、相談・申請に来ることを行政側が待ち、申請の後に支援が始まるという原則です。
この申請主義はこれまで日本の社会保障の基本でした。

▼課題は?
「申請のジレンマ」という課題があります。
物理的、能力的に申請の手続きができないければ、支援が受けられない。
支援を届けたい人こそ、様々な困難を抱えて追い込まれ、申請の手続きが困難な状況にある可能性が高いのではないでしょうか。
このような申請主義の問題が、今日深刻化しています。
独居高齢者をはじめとする単独世帯が増え、情報の入手や物理的な移動が困難になっていること。
共働き世帯が増え、多忙な毎日の中で、必要な情報を入手し、平日に市役所に行く時間の余裕がある人が減っていること。
在住外国人が増加し、言語の壁を感じている人が増えていることなどがあります。

Q.市長は「誰も一人にさせない街」の実現を謳われています。この申請主義の壁について、市長の考えをお聞かせください。
→市長「全く同感。支援を必要とする人が必要な制度を知らない、これは非常に残念で仕方がない。特に福祉、子育て、健康の分野においては、生命や生活が脅かされる可能性があり、早急に克服すべき課題であると認識している。申請主義をぶち壊さなければいけないと日本は良くならない。

▼脱・申請主義を目指したICTの活用
政府のIT総合戦略本部では、2025年の行政サービスのあり方として「脱・申請主義」がキーワードになるとしています。
デジタル化を前提に、縦割り・こま切れ・提供者目線での行政サービスから、個々人が使いたいときに、使いやすい媒体でアクセスできる、「国民中心の行政サービス」に転換することとしています。
さらに、困っている人の手元に、予測型・プッシュ型で行政サービスが届く、データを活用した行政サービスを実現することをうたっています。
 
Q.LINEと連携するなど、多くの市民が使いやすい媒体を通した相談支援、各種手続き等を導入すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
→市長「今にあった形態に代えていくのは当然重要。ご提案のLINEについては公式アカウントの連携や各種手続きの導入を検討している。

Q.本市のICT推進に向けたグランドデザインや具体的な計画を策定し、全庁横断かつ強力に推進していく仕組を構築するべきだと考えますが、いかがでしょうか。市長にお伺いします。
→市長「必要と考える。経営企画部を設置し、AIやRPAを推進するデジタルガバメント推進室を設置する。ICT推進に向けた計画は今年度中に作成する。

▼まとめ
必要とする人に支援やサービスが届く。これが当然のはずなのに、できていない。
これまでの行政サービスは「待ち」が基本でした。しかし、これからは、困りを抱えた人を行政が見つけて、(押し付けがましくない範囲で)支援を届けていくことが求められます。
この課題を克服するために、ICTは重要なツールになり得ます。
市は、申請主義のジレンマを十分理解していただいた上で、LINEの活用など市民の目線に立った支援、手続きの導入を約束してくれました。
また、市全体でICT活用を強力に進めるために、体制も刷新することになりました。
脱・申請主義を本当に実現させるためには、法的な壁や、これまでの慣習を打破する必要があります。
今回はあくまで「問題提起」として一般質問をしました。
必要な人に必要な支援が届く。行政サービスの本来のあり方を目指して、これからも提案し続けていきます。

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