高知県に全国の市議会議員3,000人が集まり、議会のあり方等を話し合いました。
一般企業は他社との競争の中で、常に改善を求められます。
一方で、議会のあり方を変えられるのは議員自身。第三者の視点が入りづらく、自分たちが問題だと気づかなければ変わらないのが議会です。
その意味でも各地域の議員が集まり、それぞれの課題と今後について話し合う機会は貴重です。
今、地方議会の存在意義が問われています。
投票率は下がり続け、議員のなり手不足が全国的に進んでいます。
その背景には、議員や議会が何をしているのかを、分かりやすく伝えられていないことが一つ。
もう一つは、やはり議会の仕組みや議員の姿勢そのものに問題があるということ。
全国市議会議長会によれば、2017年中に市区長から議会に提出されたすべての議案9万649件のうち、修正あるいは否決された議案はわずか389件(0.4%)。*
また、自治体議会改革フォーラムによれば、2017年の調査で回答があった1485の議会のうち、議員発の条例案の提出数が「0」という自治体は1352議会(91%)とのこと。
残念ながら、これまで長い間、こうした形が当たり前になってきていたのは事実で、横須賀市も例外ではありません。
これでは議会が行政の「追認機関」だと言われてしまい、市民が離れていってしまうのは致し方ないと思います。
こうした中で、「議会改革」が強く叫ばれるようになり、少しずつではありますが、変化が表れています。
横須賀市では一般市民向け、高校生向けの議会報告会が行われ、現在は特定の方(若者や子育て層、業界団体等)を対象とした公聴会の開催などを検討中です。
また、会派を越えた全議員で一つ以上の条例を作ろうという「政策形成サイクル」を作ろうということになっており、現在「歯と口腔の健康づくり条例」の制定に向けて会派代表メンバーが集まり議論を続けています。
私も1年目だからこそ気づく「この議会の仕組みおかしくないですか?」というところはどんどん主張させてもらって、各委員会での議題に取り上げてもらっていますし、全議員での条例づくりについては私も条例案を提示させてもらっています。
今回の議会フォーラムでも、気付きはありました。
例えば、委員会の県外調査(見学をしたり、当事者から話を聞いたりする調査)について。周南市では委員会内で調査テーマを決めて、そのテーマに沿って見学先を決定し、調査終了後、委員会として提言をまとめているそうです。
委員会での提言は、実質ほとんどの議員の総意ということになりますので、行政も無視はできません。
一方の横須賀市はここまでできていません。
私は先週、初めて委員会の県外調査に参加しましたが、調査先の選定は各会派や無会派議員が希望を出したものから、場所や日時があうところを複数選ぶかたち。見学先ごとにテーマがバラバラで、その後、委員会として提言をまとめるということもしていません。
これではせっかく政務調査費を使って遠方まで足を運んでいるのに、個々人の学びだけで終わりになってしまいます。
周南市のような取組をぜひ横須賀市も取り入れるべきと思いました。
このように一つ一つ改善が必要なことが山積しているのが地方議会の現状です。
約1800の地方議会の中からすると、横須賀はかなり進んでいる方であると言われますが、まだまだ課題は多いです。
今まさに横須賀市の議会改革は過渡期です。
幸い、私たち「よこすか未来会議」のメンバーは議会改革に特に積極的だと思います。
多くの市民の皆さんに信頼され、共に歩む議会を作るために、議会改革を進めていきます。
*議案として市から提出される前に、「事前説明」として非公式に議員と行政職員の間で摺合せが行われているケースは多いのが実際のところ。
しかし、それは市民は知ることができないし、それにしても修正・否決の数は少ないと思います。
追伸:高知県はアンパンマンの作者やなせたかしさんの出身地。ということで、高知駅のあちこちにアンパンマンのモニュメントが。娘にアンパンマングッズのお土産を買って帰りました。