子ども条例を作ろう① 〜横須賀市議会議員 堀りょういち

子育てパパ34歳、横須賀市議会議員の堀りょういちです。

私が今、気合いを入れて取り組んでいることの一つが、議会発の「こどもの権利条例(仮)」策定に向けた協議です。

議会発の条例づくり

横須賀市議会では、会派を越えて議会全体として条例作りを進めていこうということになっていて、横須賀市議会実行計画「未来への羅針盤2023」を作成しました。

 

この計画作成は、私が議員に初当選する前から進められてきたので、当初の経緯はわからないですが、議会として一丸となって、必要な政策を作っていく仕組みを作ったことは画期的だと思っています。

「議会が政策を作る?そんなの当たり前じゃないの?」と皆さんは思うでしょう。
私も議員になる前はそう思っていました。

でも、地方議員の仕事の多くは「行政が提出した議案をチェックすること」で、「議員自分たちが政策を作ること」はごく僅かであることを知りました。
むしろ年0%に近い議会がほとんどではないかと思います。

私はこれからは、「議員個人や議会がどんどん政策を提案し、作っていくべき」と思っています。

しかし、なかなかこうした機運は生まれません。

その背景には、

・「予算案を作成し議会に提出する権限」が首長にあること(地方自治法112条
・条例を作るための知識を議員が身につける機会が少ないこと。
・会派が存在しており、ある会派や議員個人が提案しても、他の会派から賛同を得るハードルが高いこと。
・そもそも、議会側から条例を提案していくという慣習がなかったこと。

などがあると思っています。

こうした状況を打ち破るには、「会派の枠を超えて、議会全体で条例を作るよう仕組み化すること」であり、
横須賀市議会が作った横須賀市議会実行計画はその意味で画期的であると思います。

 

子どもの権利検討協議会に参加したわけ

さて、この計画の一つとして、昨年末から「子どもの権利検討協議会」がスタートしました。

横須賀市議会実行計画では、

「現在、子どもの虐待、貧困に関するニュースが後を絶たず、早急な対策が必要な社会的問題となっています。
子ども達が人としての基盤となる「信頼感」「安心感」などの土台をしっかりと育むことによって強く逞しく人生を生き抜く力を持てるように選定しました。

令和2年12月に協議会を設置し、検討を開始する予定です。

なお、現在、国が批准している子どもの権利条約に書かれている権利は幅広いものであるため、協議会を設置する際には優先度を踏まえて課題を絞ること、また、子どもの権利を守るためにすべての課題に対して政策を検討する必要性などを政策検討会議で協議していきます。」

としています。

会派「よこすか未来会議」からは委員長の角井基さんと、私堀りょういちの2名が出席しています。
委員長は自分の意見を会議の場で積極的に発言することは難しいため、私の責任は重大です。

私はこの「子どもの権利条例作り」に委員として参加することを強く希望していました。

というのも、この条例作りの話の前に「子どもの虐待対策に向けた横須賀市の条例を作りたい」という相談を会派の中でさせてもらったことがありました。

子ども虐待対策は、議員として取り組む主要なテーマの1つです。
一時は児相の職員に憧れて目指そうと思った時期もありました。
松下政経塾時代は、児童養護施設と児童相談所、一時保護所内でボランティアとして活動させていただいたこともあります。
議員になってからは毎年必ずJASPCAN(日本子ども虐待防止学会)の全国大会に出席するようにしています。

横須賀市児童相談所の虐待相談件数は毎年増加の一途を辿っており、全国の傾向と同様です。(出典:横須賀市児童相談所 事業概要令和2年度版

これは必ずしも「横須賀市内で虐待が増えている」ということではなく、虐待の定義が変わっていることや、虐待防止への認知度が高まっていることなども背景にあります。

しかし、残念ながら子どもたちの泣き叫ぶ声や、家族のSOSを求める声は、この街で鳴り止まない状況であることは確かです。

横須賀市には幸いと言っていいのか、児童相談所があります。
(児童相談所は都道府県と政令市に設置されていますが、中核市は手を上げれば設置することができます。横須賀市は全国で一番初めに児童相談所を設置した中核市です。)

児童虐待対策の改善案を議員から積極的に提案していきたいと思い、その基本的な柱となる条例作りを考えていたのです。

そんな中で、「子どもの権利に関する条例作りを議会全体で進める」という話になりました。
この条例の中に、子ども虐待対策の内容を盛り込めるのではないか、私はそう思いました。

もちろん、「子どもの権利」は虐待だけでなく、子どもに関するさまざまな課題が含まれています。
どこまでこの条例に「子ども虐待」について実効性ある内容を盛り込めるかはわかりませんが、そこに対してしっかり意見を言っていきたい。

私個人としてはそう思っています(もちろん、会派代表として出席しているので、会派としての意見をとりまとめて発信しています。)

議論は始まったばかり。
これから本格的な議論が始まろうとしています。

議論の推移はまた、ブログやSNS等で発信していきます。
ぜひ皆さんからご意見をいただければと思います。

では、また。

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