読書について

多くの人が趣味の欄に「読書」と書きますが、私は書きません。

読書とはその人の思いや生き様を知ることであり、それを血肉に変えること。この行為を「趣味」と呼ぶことに何となくしっくりこないからです。

松下政経塾時代の私の同期は読書をするときに、正座をしています。私はそこまでするつもりはないですが、読書という行為で何か自分にとって意義あるものにしようとするならば、本とその著者に対して真摯に向き合おうとするのが必要なのではないかと思っています。それこそ、日に200冊もの本が出版されると言われる今日の時代だからこそー。

先日、見城徹『読書という荒野』を読んで、その思いを新たにしました。内容はここで紹介しませんが、それこそ居住まいを正さなければ、という気持ちになりました。本との向き合い方を考えたい、という人はぜひ一読いただくのが良いかと思います。

政治とは、人間の本性と向き合う仕事だと思っています。その仕事を担う人は、人間の美醜を共に味わいつつ、それでも人間存在を肯定する胆力と寛容さが求められます。生身の人間の交流だけでは不十分です。それこそ、過去の人との対話は本を通じてこそ可能です。

フィールドワークで忙殺されがちな毎日ですが、読書の習慣は欠かさず続けていきたいなと思っています。

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